北京ー上海間、量子暗号通信「京沪幹線」開通

 

今回は、気になったニュースを取り上げてみたいと思います。

まずは、以下の記事に目を通してみて下さい。


ー記事ー

●北京-上海間で量子暗号通信幹線が開通

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/171006/mcb1710060500012-n1.htm

●中国、世界初の量子暗号通信「京沪幹線」の開通を発表

http://japanese.china.org.cn/business/txt/2017-09/30/content_50030030.htm


中国で北京と上海をつなぐ「量子暗号通信」を行うラインが開通した、というニュースですね。

ひとつ目の記事は「SankeiBiz」の記事、2つめの記事は「中国網」というかなり共産党よりの記事を書くメディアから。

まずは、耳慣れない人も多いであろう「量子暗号通信」について解説します。

 

「量子暗号通信」とは

量子暗号通信は、光子の量子力学的な性質を利用し、盗聴されることなく暗号鍵を共有できる通信手段。一般的な光通信では、大量の光子を使い1bitのデータを送信するが、量子暗号通信では光子1個に1bitのデータを載せて送信する。このため盗聴されると光子の状態が変化し、確実に盗聴を検知できる。

この盗聴されていないと保証された暗号鍵を、次々に更新しながらデータの暗号化を行なうことで、通信データの盗聴を理論上不可能にする。

東芝、理論上“盗聴が不可能”な量子暗号通信システムの実証実験を開始 (2015/6/18)

 

日本では情報通信研究機構、NEC、東芝も研究を行っている「量子暗号通信」。

「量子暗号通信」では、光の粒子である「光子」1個に1ビットのデータを載せて送受信することで、極めて安全性の高い通信を行うことが出来るのだそうです。

東芝は2017年09月15日にもプレスリリースを行っています。

量子暗号通信で世界初の10Mbpsを超える鍵配信速度を達成

このプレスリリースによれば、東芝は2010年に50km間の通信を行ったとのこと。今回の中国の発表では、北京、上海間を中継点を作りながらも全長2000kmという長さで実現するとのことなので、中国の国家プロジェクトとしての力の入れようが伝わってきます。

量子暗号通信技術は、盗聴不可能な通信のため、軍事的にも高度な産業技術としても、極めて高い価値を持っているのです。

この量子暗号通信技術の研究は、中国・欧州が先行していて、特に中国は、2016年に打ち上げた衛星「墨子号」を用いて、世界に先駆けて地上との長距離通信実験を成功させるなど、「量子暗号通信技術」を国家ブランドとして育てようとしています。

[参考]史上最強「量子暗号」が産業・軍事で実用へ 盗聴不可能、宇宙利用も加速

日本ではあまり報道されることの少ない技術のようですが、実用化されれば極めて重要な技術です。

中国は近年、科学技術の発達に国家レベルで力を入れています。

欧米や日本など、科学技術で先行してきた国々に勝てる分野と見るや、大規模なプロジェクトに仕立て上げ、一気に追い抜こうとする戦略のようです。

日本も指をくわえて見ているわけにはいきません。

この分野の人材の育成と、資金の投入が必要でしょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

上海を中心に、中国関連の気になる出来事を発信しています。時々関係ないことも書きます。学生時代に上海留学。現在は日本で会社員生活。いつか中国で書きたい。91年生まれ。